金唐紙(白百合と昆虫)―純金箔に百合の花が咲き昆虫たちが戯れている文様です。(紙の博物館版木ロール使用)
金唐紙は、中世ヨーロッパで壁の内装や皮革工芸品などに用いられたギルトレザー(金唐革)にルーツを持ち、日本で和紙を素材として作られたものです。明治期の日本では大蔵省印刷局を中心に製造され、盛んに欧米各国に輸出されていました。パリやウィーンでの万国博覧会などで高い評価を得て大量に輸出され、ヨーロッパ王朝貴族の城や宮殿の壁をきらびやかに飾りました。日本でも国会議事堂や鹿鳴館、旧日本郵船小樽支店、旧呉鎮守府司令長官官舎、旧岩崎邸など数多くの建物に金唐紙が使われていました。その後、一度は途絶えてしまったこの技術を、金唐紙研究所代表・上田尚が蘇らせ、日本各地で使われていた金唐紙を復元してきました。また『金唐紙友の会』を発足し、皆様に金唐紙を知っていただけるよう、活動しています。